2023年3月
日本通信機株式会社
代表取締役社長 松見 厚
デジタル技術が社会に与える影響
昨今、新型コロナウィルス感染症の拡大等により、人々のライフスタイルは短期間で大きな変化がありました。また、少子高齢化社会における労働人口減少による働き方の改革・業務改善が企業の課題となっています。
この状況に対し、リモートワーク・クラウド・自動化による効率化や、デジタル技術を用いたデータの収集・分析等の技術を取り入れた生産性向上への取り組みは今後増加・加速していくものとみられます。
経営ビジョン(DXビジョン)
当社は、常に「お客様のビジネスに貢献」が大切だと考えています。
また、販売・開発・構築・保守事業を通じて、お客様との繋がりも大切にして参りました。
今迄培った技術を基本に技術変化を先取りした新技術を取り入れ、ワンストップサービスを提供いたします。
これからもトータルソリューション分野からお客様へ喜びを与える事のできる企業として運用のお手伝いを致します。
ビジネスモデルの方向性
当社では自社の業務プロセス変革として、社内に点在している情報を一元化し、データ活用して参ります。また、自社変革を自ら経験し、そのノウハウで顧客に提案する事で、顧客価値向上へ繋げて参ります。
当社のDX戦略
- ① 基幹システムを刷新し、社内の各システムに点在していたデータを一元化し、社内処理における業務の効率化、更には自動化まで実現します。本基幹システムはクラウドを活用し、社内外のどこからでもいつでも利用でき、社員の働き方のみならず業務プロセス自体も変革して参ります。
また、基幹システムによるデータの一元化に加え、従業員の活動状況を管理する工数管理システムを導入する事で、どの様な業務にどれだけの時間がかかっているかをデータ化し、業務の効率化推進と作業の偏りを排除して平準化を進めて参ります。
- ② デジタルツールを活用し、各部門ごとに管理されている各種情報の社内共有を進め、全社員が共通認識を持って行動し、中小企業ならではの決断スピードと機動力を生かせるようにして参ります。
具体的には、過去事例を類似案件に結び付けられるよう情報のタグ付け・分類・キーワードを行い、より探しやすくする仕組みを作り、情報活用を進めます。
また、若手SEに対するナレッジ共有にて、早期の戦力化を図ります。
営業については、過去の顧客データを分析することで、売上を向上させていくだけでなく、リアルタイムで情報を集積させて未来の営業活動へのつながりを作る取り組みを進めて参ります。
- ③ デジタルマーケティングを行い、より多くの顧客により適切な情報提供ができる仕組みを作って参ります。
具体的には、顧客情報を一元管理し、必要に応じて自動でDMを送付するシステムを導入し、タイムリーに顧客への情報提供を行って参ります。また、動画による商品・サービス紹介も行って参ります。将来的には自動応答システム(チャットボット)を導入し、リアルタイムに情報提供できる仕組みを構築して参ります。
- ④ 社員情報と採用面談情報をデータ化し分析する事で判断基準を設け、一定の評価基準の策定に繋げます。具体的には、全社員のアセスメントを行い傾向をデータ化し、今後の採用活動においても同様のアセスメントを行い、自社にあった人物を採用する事で、より適合性の高い社員を獲得し、人材育成強化を図って参ります。
また、これらの自社取り組みで得たノウハウを元に、顧客に対するDX提案を行って参ります。
DX推進体制
当社は上記戦略を実現するため、担当業務の枠を越えた横断的な組織編成を重視した「DX推進プロジェクト」を設置致しました。その責任者は代表取締役社長が務め、プロジェクトと社内組織が連携し、DX戦略を実施して参ります。
また、当社は戦略実現に向けた人材の育成・確保に注力して参ります。
DX人材育成施策
DXビジョンの実現に必要なスキルやDXに関するリテラシー向上に向け、下記の施策を実践して参ります。
- ① 全社員に対するビジネスコンピテンシー診断・NET.ASKの実施によりスキルを可視化し、強化要素のあるスキルについて各種研修を通じて強化して参ります。
- ② AWSを初めとするインフラ技術要員育成を行い、現在13名の要員を2025年度には20名まで増員強化します。
DX戦略推進に向けた環境整備
当社ではDX投資予算を従来の社内IT投資枠とは別に戦略的投資予算として計上致します。
- ① 基幹システム刷新
2022年1月より企画・開発を開始。
第一フェーズ:2023年4月より、販売・財務・給与・人事システムを稼働予定
第二フェーズ:2023年10月より、在庫管理システムを稼働予定
- ③ デジタルマーケティング推進
2022年度より、自社サイトの見直しを行い、2023年9月までにリニューアル予定。
2023年3月より、MAツール選定基準検討開始。2024年度中にPoCを行い2025年度中のツール導入を予定。
DX戦略達成状況指標
当社では、2025年に向けたDX戦略の達成指標として以下を掲げ、定期的に進捗確認を行って参ります。
- ① 基幹システム刷新
2023年4月に第一フェーズ完了(販売・財務・給与・人事システム刷新+クラウド化)
2023年10月に第二フェーズ完了(在庫管理システム刷新)
2025年度までに、間接部門のルーチンワーク工数を30%以上削減
- ② デジタルツール活用
2023年度より社内グループウェアを統一し、社内情報の一元化を推進
2025年度までに、一元化した情報の検索システムを構築
- ③ デジタルマーケティング
2022年度より、自社サイトの見直しを行い、2023年9月までにリニューアル
2023年3月より、MAツール選定基準検討開始
2024年度中にPoCを行い2025年度中のツール導入
2025年度までに自社サイトアクセス数を100%以上増加
- ④ 社員情報をデータ化し、DX人材育成
2023年度より全社員に対するビジネスコンピテンシー診断・NET.ASKの実施により、スキルを可視化
AWSを初めとしたインフラ技術要員を2025年度に現状の13名から25名に増員
DX推進進捗状況